









19世紀末から20世紀初頭、
イギリスの女性にまだ参政権がなかった時代。
女性たちは自分たちの権利を自分たちの力で掴み取ろうと、
婦人参政権を求めて声を上げ始めました。
急進派と言われるグループのメンバーのことを「サフラジェット」と呼んでおり、
レンガを百貨店に投げつけたり、
ポストに放火したり、
かなり過激な方法を使っていたそうです。
彼女たちが動き始めたことで、
広く女性にも参政権をという世論が動き始めます。
広報に用いられた紫(尊厳)、白(純粋さ)、緑色(希望)は活動を象徴する色となり、
この3色組み合わせのリボンを身に着けたり、
そしてアメジスト、パール、ペリドットを用いたジュエリーを身に着けることで、
自分たちの意思を表現したそうです。
こちらの少し力強い、
少しメンズライクなデザインも、
女性が力を得ようとする動きの中で流行しました。
こちらはおそらくフランスで作られたブローチ。
1928年にイギリスでは女性が参政権を得ましたが、
フランスはその16年後、1944年に女性が参政権を得ることが出来ました。
ジュエリーの流行はすぐに隣国へと広がっても、
政治に関する動きは国それぞれ、
古い体制を変えていくということがいかに容易でないかは、
どの時代もどの国も近しいものがあるようです。
背景の説明が長くなってしまいましたが、
ゴールドトーンメタルは100年以上経っても光り輝いています。
彼女たちが叶えたかった希望を想い、
身に着けて頂けたらと思います。
トロンボーン式のクラスプは問題なく留まります。
*製造国 おそらくフランス
*年代 1900年代頃
*素材 ゴールドトーンメタル
*サイズ 4.1cm×0.7㎝
*重量 5.6g